#2 Carvana
Carvanaはアメリカ・アリゾナ州フェニックスに本社を置く、オンライン中古車販売会社です。最も有名なのは自動車自販機ではないでしょうか。ディーラーのようにスタッフと接することなく、支払い後に自分の車を自販機で購入できるというものです。
メインはオンラインによる自動車販売会社となりますが、父のErnie Garcia II世が経営しているカーディーラー「Drivetimes」とも何かしらの協業がされていると考えられます。2017年にIPOを果たし、時価総額$9 billion(2019年5月末時点)を超える企業となっています。
0. 企業概要
設立:2014年
本社:アメリカ・アリゾナ州
創業者:Ernie Garcia III世
主なサービス:オンライン中古車販売
会社形態:Public (NASDAQ)
1. ビジネスモデル
Carvana社は中古の自動車をオンラインで直接販売したり、購入された中古車の受け渡しを自動車自販機から受け取れるサービスなどを行っています。自動車の中古車購入は従来は全国各地にある自動車ディーラーから買うのが一般的でしたが、Carvana社のウェブサイトを通じ購入する事ができます。2018年6月時点で全米の150の検査ポイントで品質、性能のチェックを受けた中古車在庫は約11,000台あるようです。
Carvana社のビジネスモデルは自動車の販売者と購入者を繋ぐマーケットプレイス形では無く自社で中古車を購入して販売しています。また車を買いたい購入者向けに融資を行う金融サービス、車登録の煩雑な書類の申請サポート、購入後のアフターケアを行うサービスもあります。
以下ではCarvanaのコアコンピタンスを見ていきたいと思います。
1. シームレスな購入経験
まずは車の検索から購入までが非常にシームレスであるという点。Carvanaでは約10分で車の検索から購入を決定することができます。一般的にディーラーに行った場合、納車時期の決定、保険や保証等の商品選び等で、ゆうに1時間はかかります。Carvanaではそれらの決定を全てwebやアプリ上で行うことができるall in oneの購入経験を提供できています。
またWeb上の検索でもう一つ補足をしておきたいのが、360度ビューが観れるというものです。多くの中古車マーケットプレイスを運営している会社は自社で在庫を持っていない為、このようなサービスを提供することができません。しかし、Carvanaは基本自社で在庫を保有しているので、多少時間と手間はかかるもののこれらのUXが提供できます。
さらにそれぞれの車が150ポイントの検査に合格しており、車の過去履歴レポートも無料でついてきます。アメリカではCar fax社が過去履歴レポートを提供しており、CarvanaもCar fax社と連携をして、中古車購入者に過去履歴レポートの提供しており、車両購入者に対して信頼を提供している。
2. 値段
Carvanaは伝統的なディーラーと比較して約1,000ドルほど安く購入ができると言われています。伝統的なディーラーの場合、店舗自体、販売員(新車、中古車)、メカニック等の施設費や人件費がかかります。しかしCarvanaの場合、自動車自販機や配送ドライバー等はいるものの、基本的な固定費は伝統的なディーラーと比較して非常に低いのが特徴であると思います。その分、価格を抑えて販売しているのだと考えられます。因みにCarvanaから車を購入する場合は割引の交渉は不可となります。
但し、伝統的なディーラーも基本的に車両販売に関してはある程度値引きをした上で販売するので、実際に1,000ドルほど安くなるかは、やや疑問が残るところもあります。
また後述しますが、Carvanaは相当額が累積損失として計上されています。車体価格の値引等にマーケティング費用が使われているとするならば、この価格に持続可能性があるかどうかはかなり微妙かと思います。
3. フルフィルメント
自動車自販機が有名ではありますが、もちろん配送も行っています。配送は最短1日で購入者の手元に届けることができ、もちろん配送のスケジューリングもアプリから行うことができます。
日本の話ではありますが、各自動車メーカーは在庫の圧縮のため、自動車在庫を多くは保有していません。その為、新車の納車は長い場合半年ほど先になるケースもあります。アメリカでは多少異なる状況かもしれませんが、1日で車が手元に届くというのは他社との差別化要素になると思います。
4. 市場データの利用
Carvanaは社内外のデータを獲得&蓄積し、仕入れ可能な車の利益予測決定モデルを保有しています。最近では多くの会社が行っているかと思いますが、IR資料にあったデータの流れは以下の図を参照ください。
Carvanaのファイナンスで非常に特徴的なのが、車を決めてからオートローンの申請できることだ。なぜこれが特徴的なのだろうか?一般的には、オートローンは購入者の信用情報等によりローンの金額や利率が決まる。しかしCarvanaの場合、自社で融資を実行する(通常ディーラー等は外部の金融機関のローン販売代理店に過ぎない)ので、非常にフレキシブルなローン条件を提示することができる。具体的にCarvanaが車両購入者に提示している融資実行可否の条件は以下の三つだけである。
自社で条件を提示し、融資の実行ができるので、自社ウェブサイトで今後の税金や頭金当を考慮したローン計画を提示できるという強みがある。
2. 業績
同社の売上は2014年に$42 millionでしたが2017年には$859 millionにまで成長しています。同様に、車両の販売台数も2014年に2,105台でしたが、2017年には44,252台にまで増加しました。
しかし、売上増加とともに販管費も増えており、直近2018年期では$254 millionの損失を計上しており、累積損失は$500 millionにものぼる。一部の専門家からはビジネスモデルの持続可能性が問題視されている。
メインはオンラインによる自動車販売会社となりますが、父のErnie Garcia II世が経営しているカーディーラー「Drivetimes」とも何かしらの協業がされていると考えられます。2017年にIPOを果たし、時価総額$9 billion(2019年5月末時点)を超える企業となっています。
自動車自販機
0. 企業概要
設立:2014年
本社:アメリカ・アリゾナ州
創業者:Ernie Garcia III世
主なサービス:オンライン中古車販売
会社形態:Public (NASDAQ)
1. ビジネスモデル
Carvana社は中古の自動車をオンラインで直接販売したり、購入された中古車の受け渡しを自動車自販機から受け取れるサービスなどを行っています。自動車の中古車購入は従来は全国各地にある自動車ディーラーから買うのが一般的でしたが、Carvana社のウェブサイトを通じ購入する事ができます。2018年6月時点で全米の150の検査ポイントで品質、性能のチェックを受けた中古車在庫は約11,000台あるようです。
Carvana社のビジネスモデルは自動車の販売者と購入者を繋ぐマーケットプレイス形では無く自社で中古車を購入して販売しています。また車を買いたい購入者向けに融資を行う金融サービス、車登録の煩雑な書類の申請サポート、購入後のアフターケアを行うサービスもあります。
以下ではCarvanaのコアコンピタンスを見ていきたいと思います。
1. シームレスな購入経験
まずは車の検索から購入までが非常にシームレスであるという点。Carvanaでは約10分で車の検索から購入を決定することができます。一般的にディーラーに行った場合、納車時期の決定、保険や保証等の商品選び等で、ゆうに1時間はかかります。Carvanaではそれらの決定を全てwebやアプリ上で行うことができるall in oneの購入経験を提供できています。
またWeb上の検索でもう一つ補足をしておきたいのが、360度ビューが観れるというものです。多くの中古車マーケットプレイスを運営している会社は自社で在庫を持っていない為、このようなサービスを提供することができません。しかし、Carvanaは基本自社で在庫を保有しているので、多少時間と手間はかかるもののこれらのUXが提供できます。
さらにそれぞれの車が150ポイントの検査に合格しており、車の過去履歴レポートも無料でついてきます。アメリカではCar fax社が過去履歴レポートを提供しており、CarvanaもCar fax社と連携をして、中古車購入者に過去履歴レポートの提供しており、車両購入者に対して信頼を提供している。
2. 値段
Carvanaは伝統的なディーラーと比較して約1,000ドルほど安く購入ができると言われています。伝統的なディーラーの場合、店舗自体、販売員(新車、中古車)、メカニック等の施設費や人件費がかかります。しかしCarvanaの場合、自動車自販機や配送ドライバー等はいるものの、基本的な固定費は伝統的なディーラーと比較して非常に低いのが特徴であると思います。その分、価格を抑えて販売しているのだと考えられます。因みにCarvanaから車を購入する場合は割引の交渉は不可となります。
但し、伝統的なディーラーも基本的に車両販売に関してはある程度値引きをした上で販売するので、実際に1,000ドルほど安くなるかは、やや疑問が残るところもあります。
また後述しますが、Carvanaは相当額が累積損失として計上されています。車体価格の値引等にマーケティング費用が使われているとするならば、この価格に持続可能性があるかどうかはかなり微妙かと思います。
3. フルフィルメント
自動車自販機が有名ではありますが、もちろん配送も行っています。配送は最短1日で購入者の手元に届けることができ、もちろん配送のスケジューリングもアプリから行うことができます。
日本の話ではありますが、各自動車メーカーは在庫の圧縮のため、自動車在庫を多くは保有していません。その為、新車の納車は長い場合半年ほど先になるケースもあります。アメリカでは多少異なる状況かもしれませんが、1日で車が手元に届くというのは他社との差別化要素になると思います。
4. 市場データの利用
Carvanaは社内外のデータを獲得&蓄積し、仕入れ可能な車の利益予測決定モデルを保有しています。最近では多くの会社が行っているかと思いますが、IR資料にあったデータの流れは以下の図を参照ください。
Carvana IR資料より抜粋
5. ファイナンスCarvanaのファイナンスで非常に特徴的なのが、車を決めてからオートローンの申請できることだ。なぜこれが特徴的なのだろうか?一般的には、オートローンは購入者の信用情報等によりローンの金額や利率が決まる。しかしCarvanaの場合、自社で融資を実行する(通常ディーラー等は外部の金融機関のローン販売代理店に過ぎない)ので、非常にフレキシブルなローン条件を提示することができる。具体的にCarvanaが車両購入者に提示している融資実行可否の条件は以下の三つだけである。
- 年収10,000ドル以上
- (ローン申請時点で)破産状態ではない
- 18歳以上である
他の金融機関と比較すると非常に緩い条件である。但し、ローンの実行はCarvanaの在庫に限り、外部から購入した車両にCarvanaのローンをつけることはできない。
自社で条件を提示し、融資の実行ができるので、自社ウェブサイトで今後の税金や頭金当を考慮したローン計画を提示できるという強みがある。
2. 業績
同社の売上は2014年に$42 millionでしたが2017年には$859 millionにまで成長しています。同様に、車両の販売台数も2014年に2,105台でしたが、2017年には44,252台にまで増加しました。
しかし、売上増加とともに販管費も増えており、直近2018年期では$254 millionの損失を計上しており、累積損失は$500 millionにものぼる。一部の専門家からはビジネスモデルの持続可能性が問題視されている。
Carvana Annual Report 2018より抜粋
Carvanaはアメリカの中古車オンライン市場を切り開いたといえ、中古車ディーラーを家業に持つ家族から、自らのビジネスモデルに疑問を投げかけ、「破壊」を試みているところが面白いかと思います。
但し、上述の通り、$9 billionという時価総額がついているものの、相変わらず大きな累積損失を抱えており、財務状況に関しては注視が必要かと思います。
創業者のErnie Garcia III世はStanford大学、共同創業者のRyan Keeton及びBen HustonはHarvard大学を卒業しており、チームに対する期待により時価総額が上がっている面もあるかもしれません。





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